ぜろ通信

嘉向徹と保科亮太のブログです。└( ^o^ )┐

僕たちは世界も自分も変えることができない。But,we wanna build a myself in Cambodia. [Prologue]

嘉向徹が近々タイに行くという連絡がきた。何でも“コムローイ”と呼ばれる年に一度ランタンを打ち上げまくる祭りに行くらしい。

彼の《超大切な他人》とされているフォトグラファーのChiaki氏が、去年彼の誕生日を祝って現地まで招待したのに、シュールなケンカをして見れなかったリベンジのようだ。同じ失敗を繰り返さないように彼女が画策したのが、最近共に活動しているアーティストのMAYUCHAPAWONICA氏を第三者委員会として同行させることだった。

時を同じくしてMAYU氏(後のMAYUCHAPAWONICA)と《ibaya》を合同会社として設立した坂爪圭吾氏が、最近いばやへ電撃加入した喫茶「ラムピリカ」のオーナーであり二児の母でもある千秋さんとタイ周辺に行く情報が入る。

いばや関係者の情報によると、11月29日に新潟の“愛に溢れすぎたカフェ”でお馴染みだった『イロハニ堂』で、【イロハニ堂完全撤収ライブ ~最後にいってらっしゃいを言わせて~(仮)】が開催される運びとなったらしい。その中身が「海外に行ってきたばかりの新生いばやメンバー集合振り返り的トークを繰り広げる」というざっくりとした内容だった。

冠婚葬祭系で無給休暇中だった保科亮太は、その事実を知って驚愕した。

「お、俺かっ...(今回がむしゃらになる担当は)!!」

そのような経緯で、どうにかして月末のイベントまでに海外に行きたくなった。

最近ドライバー率の高い保科は、青い空を飛んでいく飛行機を見上げる度に「ああ、俺も飛んでいきたい」と呟くようになっていた。

過去に収まりが利かなくなると、わざわざ空港まで行って有料閲覧ゾーンに入り飛行機の発着シーンを見届けた後、帰りの車中でドラマ「Good Luck!」のサウンドトラックを聴いて、あたかも遥か遠くの地へ赴き、はるばる戻ってきた感を自身に演出するほどの難病を抱えていた事を思い出した。

実は、昨年の半分くらいをカンボジアで過ごしていたという笑顔が素晴らしい女性から「ぜひあなたとカンボジアに行ってみたい」と彼は誘われていた。

しかしながら、皆さんご存知の通り、彼(ら)には持ち合わせがない。「お金が無い」とは言わない。4桁くらいはある。しかしこれでは飛行機には乗れない。

「ごめん、いまちょっとお金が足りないからさ、また今度ね。」

この“また今度ね”的フレーズを使うときほど実現可能性の低いものはない。負のサイクルを断つ時がきた。

「よし、覚悟を決めてカンボジアに行くか(目標6万くらい)!」

月末のイベントに間に合うようにお金を工面して行けばいい。大丈夫だ。まだ時間はある。「さあて、どうやってお金を集めるかなっ」とスマートフォンを開いては、最近気になっていたバラエティ番組をYouTubeで視聴していた。当然、時間だけが過ぎて行く。彼にとっては時間もお金と一緒で、あればあるほど浪費してしまうようだ。

分かる人には分かるかもしれないが、このとき心を覆い尽くす罪悪感とも虚無感ともとれる見えない何かによって、やる気という希望は少しずつ奪われていく。

(うわ...全然良いアイデアが浮かばない...カンボジア行きたい企画にしたところでどうしても稼ぐ系になってしまう...)

彼は徹のように何かアイテムを売ったりする気はおろか、身を挺してお金をもらいに行く気すら起こせなくなっていた。

これまで数々の恩恵を授かり海外に行かせてもらった保科の身体は、“ただ海外に行く”というだけではチケットを取れない病に侵されていたのだ。

このままではいけないと思いながら、久しぶりに家族が集まり法事に出かけた。

〝どうみてもこの108以上ある煩悩を少しでも滅することに徹しよう…〟

背筋を伸ばし、住職が唱えるお経を心で聴く姿勢をとりながら、静かに目を瞑った。

(ああ、あ。色々考えたけど、結局ナイスなお金の集め方なんて思いつかないな。というか、それが出来たらこんな状況になってないしな…)

線香の細い煙が鼻を通り、少しずつ体内に染みわたっていく。何だか身体が軽くなった気がした。

(そうだ!出来ない奴は出来ないなりに開くんだ!素直に、そのままで開くんだ!)

どうやら開眼したようだった。彼の中にあった「カンボジアに行くための資金を集める」という選択肢が消えた。

その晩、保科はいつもに増して穏やかな気持ちでYouTubeをサーフィンしていた。人間とは簡単に変わらない生き物である。

そんな時、独自路線を貫く世界のイチロー氏に次いで、彼が尊敬の眼差しを向けるサッカー界の異端児・本田圭佑氏の動画に目が止まる。

「チャレンジ精神をもっと持つためにはどうすればいいのでしょうか。」というインタビュアーの質問に対して彼はこう答えた。

「どうすればいいかでしょ? 海外に出るんですよ。日本がどんなサッカーレベルか分からないでしょ? 世界に出たら分かるんですよ。ー『明日リュックサック持って行け』って言ってるんですよ。皆なかなか行かないです。割と良い年俸もらってJリーグでレギュラーでファンもいるんで。ーぼく誤解されてるんですけど、ちなみにそのスタンスで行きましたからね。ぼくオファーあってオランダ行ったんじゃないです。もう行かないと始まらないの分かってたんで、行って、テストして、そこで契約したいと言われて、契約にこぎ着けることが出来たんで。『出りゃあいいんですよ』『ただ日本だけでやってると分からないことがあるから出ろ!』って言ってるんです。」

www.youtube.com

(...そっ、それだっ...!!)

保科はこの下りを20回くらい再生して見まくった。

「なるほど!そうか!そうか!リュックサックを持って出りゃあいいんだ!!」

彼の心は愚直なまでに開いてしまっていた。

〝行く前に困って何も出来ないよりも、行って全部みてから困ればいいんだ〟

完全に逆転の発想だった。

・少なくとも移動費などの金銭面において困る総量は変わらない

・むしろ余裕のない方が本気の知恵が出るはずだ

・がむしゃらに突入することにより自身の潜在能力が引き出される

と、勝手に理論づけて自身の脳を思い切り騙したようであった。理性の働く脳の司令を無視して、全ての気を腸に集め、直感を信じた。

彼はすぐにメッセージを送った。

 

「3日後にカンボジアへ行きましょう。」

 

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【team-0/僕たちは世界も自分も変えることができない。But,we wanna build a myself in Cambodia.】

 

明日死ぬかもしれない。